2013年10月23日
復帰体験者が語ること
先日、戦中戦後~日本復帰を知る語り部の方のお家をおじゃましました。
当時は20歳前後の青春時代。現在は80歳を超える高齢の方ですが、非常にしっかりとしたお話しで、たくさんのエピソードを笑いや涙を交えながらお聞きすることができました。
今年は奄美群島日本復帰60周年。
60年です。ということは、当時青年だった方々は、現在80歳を超える高齢者に。
戦争体験もそうですが、年月が進むにつれて体験者は否がおうなく年を重ね、お話を聞くことのできる機会は、私たちが思う以上にものすごいスピードで減っているのだと思います。
気が付いたころには遅い。そんなふうに。
米軍統治下時代。
小さな子供を抱え、常の「食糧不足」に苦しんでいたが、いつも周りの人たちと助け合い、しのいできたこと。
車などない時代、高熱の子どもを背負って、山をいくつも越え4時間かけて医者まで走ったこと。
日本復帰し、旗を持って行列に加わった誇らしい気持ち。
しかしその後、すぐに暮らしが変わるわけではなく一つ一つ苦労を重ねてきたこと・・・・
現代とは比較にならない当時の生活や思いが聞けただけでなく、そうしたことを乗り越えて今、様々な活動に生き生き取り組む心得のようなものをたくさん聞くことができて、とても充実した時間でした。
これから12月25日に向けて、さまざまな催しが各地で予定されています。
せっかくの機会、たくさんの人が参加したらいいなあ、と思います。
新聞やテレビで知るのではなく、生の声を聴くこと。ラストチャンスに近いものがあります。そして、私たちがそこから学ぶことは想像以上に多いはずなのだと。思います。
しかし、60年以上前のこともそうなのですが、実は30~40年前の奄美、というものにも最近とても興味があります。
私の知らない奄美。たった30-40年前なのに、島の景色、人々の暮らしは大きく変わったようです。
30年前のことなら人々の記憶も確か。機会を設けて少しずつ聞き拾っていけたら何かにつながっていくような気もします。